この記事はフィクションです。
経緯
いつ、どういった流れでその話になったのかもう忘れてしまったが、配信の中で今から5年くらい前に某所のとあるカレー屋(ここでは水星カレーと呼ぶ)に行った話になった。
私はカレーが大好きだ。
カレーならばどうあっても一定の味は保証されているものと思いこんでいる。ちなみにインドカレーはそこそこの頻度で行く。はじめてこの水星カレーに行った当時なんの警戒もなく食べに行った。
しかし、そのお店の味はどうにも私の口には合わなかったのだ。食べログで高評価?サクラか?と本気で思ってしまうほどであった。正直そこまで味にこだわる方の人間ではないと思っているが、普段食べるペースがやや早い自分があんなにも箸、ではなくスプーンの進まない食事は久々であった。
そんなネガキャン魂全開で以前食べた際のことを配信で話したところ、冗談めかしなのかはわからないがatanrさんが「食べに行こうよ!」というので被害者を増やすべく本気で巻き込むことにした。
この人ノリ良いな
いざ決戦の地へ
完全に夜勤明けの勢いで敢行したわけで、出かける直前に若干後悔していた。
しかしだ。そもそもとして、以前食べた際はおなかがいっぱいでおいしく感じなかっただけなのかもしれない。もしくは5年の時を経たことで味が進化して今なら美味しく食べれるかもしれない。たまたまあの日だけ仕込みで事故っただけかもしれない。そんな期待も胸に私は水星カレーのある沼袋駅(仮名)に向かうことにした。
しばらくするとatanr氏がやってきた。美容院に寄っていたらしく、サングラスも相まって胡散臭いお兄さん感が強かった。丸いサングラスはFF14のataさんを彷彿とさせる。そして駅から歩いて5分、ついに決戦の地に辿りついた。お店は地下にあるため、階段を降りていく。入り口近くになるとカレー屋さん特有のいい匂いがしてきた。
きたぞ 覚悟を決めろ pic.twitter.com/YqomK0U6jZ
— ふぃす (@fis314) 2023年1月8日
※イメージです
実食
水星カレーの特徴は様々な種類の肉を扱っているところだろう。
普通カレーに使う肉というと鶏、豚、牛あたりが定番であるが、ここでは馬、鹿、鴨、羊、そしてカンガルーの肉を扱ったメニューが存在するのだ。なお、以前自分が頼んだ際は安定を取ったつもりで鶏を選択している、がダメだった。
今回どれを頼むかかなり悩んだが、ベースのカレーからして普通ではないため、鴨カレーを選択した。本当はカンガルーにしようと思ったが売り切れだったのだ。今回はこれにほうれん草のトッピングを追加した。ataさんは鶏カレーでおなじくほうれん草トッピングを追加だった。
※画像はイメージです
まずは一口。
やはりカレーではない何かの味。でもおかしい、食べれる。
そう、普通に食べれたのだ。かすかに残っている記憶ではてんでダメであり、ものすごいゆっくり消化していたのだが、今回はハイペースで食べることができた。ataさんもいけるいけるといって普通に食べていた。
なんだ、5年前の自分の思い過ごしか、と思った。
しかし半分食べたあたりでふと気づく。大きく鼻から息をした際、口に充満した水星カレーの臭いが鼻孔を突き抜けていた瞬間、全てを思い出した。
中盤に差し掛かり、辛さでややペースが落ちたとき、呼吸をするとなんともいえない香りが鼻を突き抜け、それがさらに食事のペースを遅くさせる。早く食べたいが辛さと匂いの負の連鎖。
水星スパイラルである
そう、水星カレーはその独特の匂いを隠すためなのかはわからないが、かなり辛いのである。ちなみにこの日選んだ辛さは下から2番目の中辛。自分が普段通っているインドカレー屋の4辛よりもこっちの中辛のほうが辛かった。これにより食事ペースのダウンと口の感覚が無くなっていき、より鼻を突き抜けていく匂いが際立ってしまうのだ。
だが、今回は以前と大きく違う点があった。ほうれん草トッピングである。
このほうれん草トッピングはバターソテーであるため、ルウの独特な香りだけでなく、辛さも軽減してくれるため非常にマイルドな味わいになるのだ。このほうれん草トッピングを終盤までキープすることにより、一定のリズムで口に運ぶことができ、前回に比べて倍のペースで完食できた。
感想
最初の所感では以前とはやや違う印象を受けたが、やはり5年経っても同じ味であることに途中から気づいた。
だが今回はかなりの空腹であったこと、ほうれん草トッピングをしたことの2点がうまく機能したことで問題なく完食に至ることができた。以前はこれらの要素が無かったため、底なし沼を処理する手立てがなく負の水星スパイラルの餌食になってしまったのだと考えられる。でもまあジビエだからこういう味なんだろうな。今後水星カレーを食べることを予定している人は辛さ対策とトッピングについて十分に考慮をいれるとよいだろう。チーズなんかもいいかもしれない。
お店を出た後ataさんにも感想を聞いたところ以下のような感じだった。
・ハードルをかなり下げたので思ったよりいけた
・逆にうまいカレー屋と聞いて行ったとしたら、いやそうではないと感じるであろう
・もう一度行くかと聞かれると微妙 スシロー行くわ
私は今回が2回目だったがおそらく3回目は無いだろう。カンガルー肉だけ心残りだが。あと食べログは信じるな。
■総括
水星カレー行くならその手前にあるキッチンXYZ(仮名)に行け。あそこはうまいぞ。
おわり
この記事はフィクションです