スーパードンキーコング2 攻略本11種を比較してみる
実は2017年末にある目的から国会国立図書館に行っていました。
非常に多くの図書が保管されていることから攻略本もあるのかなと思い、
館内端末で検索してみたところ、10種類以上のスーパードンキーコング2の攻略本が保管されていました。
・・・というかこれだけの種類が出版されている事自体に驚きました。
時間が余っていたのでこれらを一気に貸出・複写を行い、
その情報量・正確性・機能性・芸術性について比較レビューを行いました。
No.1 100パーセント遊ぶスーパードンキーコング2
出版社:芸文社
シリーズ名:スーパーファミコン100%シリーズ
発売時期:1995年12月
■主な特徴
・マップは全て手描き
・DKコインは記載されているが、隠し穴のボーナス等はマップ上に記載されていない
・隠しアイテム情報無し
・ロストワールドがダイジェストのみ
・キャプテンクルール最終フェーズ見出しが「もうめちゃくちゃだ!」
■記載例
■評価・考察
マップが手描きな上に、ボーナスに関する情報が圧倒的に不足している。
注釈による解説も少なく、ロストワールドがダイジェストになってしまっている。
「表紙にこれで親子の悩みも解消だ!」と記載されているが、
残念ながらこの本の構成が「もうめちゃくちゃだ」なので完全クリアは難しい。
No.2 スーパードンキーコング2ディクシー&ディディー攻略ガイドブック
出版社:ティーツー出版
発売時期:1995年12月
■主な特徴
・マップは全て手描き
・DKコイン、ボーナスは概ね記載されている
・隠しアイテム情報無し
・ランビといっしょのDKコイン取得でランビの2段ジャンプを強要する
・しかも2段ジャンプの入力説明が間違っている
■記載例
■評価・考察
\突然の2段ジャンプ/
ゲーム内のコングファミリーや説明書に記載のないランビの2段ジャンプを唐突に解説しだす唯一の攻略本。
また、その方法は「スーパーダッシュで1回ジャンプし、素早く逆を向いてもう一度ジャンプボタンを押すのだ」
となっているが正しくは「スーパーダッシュでジャンプ後、ジャンプボタンを押した後に逆キー入力」であるため、
二重の誤りとなっており、あらゆる点において評価ポイントが低い。
また、何を血迷ったのかこの4ヶ月後に別名でドンキー2の攻略本を出している(No.8)。
No.3 スーパードンキーコング2 : 任天堂公式ガイドブック
出版社:小学館
シリーズ名:ワンダーライフスペシャル
発売時期:1996年1月
■主な特徴
・マップはゲーム画面ベース
・DKコイン、ボーナス、隠しアイテムを網羅
・サイズがB5で他の攻略本に比べるとおそらく最も大きい
・ア ニ マ ル ラ イ ド
■記載例
■評価・考察
まってたぜ小学館。
マップは全てゲームベースとなっているため、手描きでありがちな高さ・縮尺の不整合がない。
また、隠しアイテムやフックはマップ上にて丸でピックアップされているため、
見落としがないという点においても評価点は高い。
また、本自体が大きいのでマップ全体が見やすい他、各ページに大きな公式絵が散りばめられているため、
単純に「絵」としても楽しむことができる点が素晴らしい。
が、しかし最終ステージでやってしまったのであった。非常に惜しい。
No.4 スーパードンキーコング2ディクシー&ディディーあんしんぼうけんガイド最終攻略読本
著者:ツインスター編著
出版社:ジャパン・ミックス
発売時期:1996年2月
■主な特徴
・マップはゲーム画面ベース
・DKコイン、ボーナス、隠しアイテムを網羅
・難所ポイントに対する注釈の量が半端なく多く、アドバイスが的確
・迷路ボーナスの経路を図上で示している
■記載例
■評価・考察
今回の11冊の中で、最も評価点の高い攻略本。肌触りがよかった。
DKコイン・ボーナス・隠しを網羅はもちろんのこと、
難所であるアニマルランドのスコークス地帯をセクションごとに細かく解説している。
また、船底ダイビングや暗闇ダイビングなどのボーナスでは進むべきルートを線で示しており、
複数ルートがある場合は操作の得意・不得意で好きな方を選ぶよう記載されている。
この簡単なルートと難しいルートはRTAにおいても同じ立ち位置となっているため、著者の研究レベルの高さが伺える。
No.5 スーパードンキーコング2ディクシー&ディディークレムリン島が102パーセントわかっちゃう本
出版社:アスペクト出版
シリーズ名:月刊ファミ通Bros 攻略本シリーズ
発売時期:1996年2月
■主な特徴
・マップは全て手描き ※間違い多数
・DKコインは記載されているがボーナスはかなり中途半端な紹介
・アニマルランドがクリアできないようになっている
■記載例(赤ペン先生付き)
■評価・考察
「大丈夫。ファミ通の攻略本だよ。」でお馴染みのファミ通。
マップを手描きで描く分には問題ないのだが、その情報があやふやで攻略情報が非常に不足している。
また、次に以下のアニマルランドのマップをご覧いただきたい。
アニマルランドのスコークスパートでは赤線で示した経路を通ることになるのだが、
矢印で示した地点が謎の茨で塞がれており、実質攻略不可能となってしまっている。
また、ここを突破したとしても、次のラトリーパートで唐突に針山に降下させられる点も芸術点が高い。
圧倒的な攻略情報の不足と記載誤り、加えて攻略不能なマップトラップが光る一品である。
No.6 スーパードンキーコング2 : ディクシー&ディディー スーパーファミコン必勝シリーズ
出版社:勁文社
シリーズ名:スーパーファミコン必勝法スペシャル
発売時期:1996年2月
■主な特徴
・マップは全て手描き
・DKコイン、ボーナスは描かれているが回収方法、入り方については未解説
・各所にかわいらしい絵が書いてある
・とげとげタルめいろにて描くのが大変だったと著者の不満が書かれている
・アシカのクラッパーが謎の生命体になっている
・漫画付き。
■記載例
■評価・考察
DKコインやボーナスに加え、基本的なマップ情報については網羅されているが、
ステージ自体の解説は左上の概要のみとなっており、情報がやや不足している。
ただ、親しみやすい絵が各所に描かれているため、他の攻略本とは違った楽しみ方ができる。
腹立たしいドンキーコングも
また、この2ヶ月後に同出版社から出る攻略本にて事件が起こる(No.11参照)。
No.7 スーパードンキーコング2 : ディクシー&ディディー ドンキー救出大作戦
出版社:講談社
シリーズ名:覇王ゲームスペシャル
発売時期:1996年2月
■主な特徴
・マップはゲーム画面ベース
・DKコイン、ボーナスは概ね記載されている
・隠しアイテム情報無し
・難しいDKコインの取得方法や、難所の解説が不足気味
■記載例
残念ながらDKコインの位置が間違っている。
■評価・考察
ゲーム画面ベースのマップとなっているが、DKコインの取得方法が不足していたり、
その位置が間違っていたりと、解説不足・誤りが目立ってしまっている。
加えて隠しアイテム情報が記載されていないこともあり、先に紹介したNo.3、4の劣化版となってしまっている。
ただし、大きな公式絵が掲載されているため絵として楽しむことができる点は評価高め。
No.8 スーパードンキーコング2を100倍楽しく遊ぶ本
出版社:ティーツー出版
発売時期:1996年3月
■主な特徴
・マップを一切掲載しない大胆な作り
・DKコイン、ボーナス解説は一部のみ、当然隠しも無し
・各ページ片面1ページのみのダイジェスト解説
・ワールド1,2はワープバレルのみしか解説していない
・2回目キャプテンクルールの解説が非常に細かい
・熱 川 バ ナ ナ ワ ニ 園
・「そんなものはありません。」
■記載例
■評価・考察
まさかのティーツー出版から2冊目の刺客がやってきた。
・攻略情報について
この4ヶ月でどれほどの進化をしてきたかについてだが、まさかのマップ掲載を完全放棄。
各解説ページを全てダイジェストにしており、ワールド1,2にいたってはワープバレルのみの解説で
DKコインやボーナスについての解説が一切無い大胆設計となっている。
残念ながら102%にすら到達できない。
しかし、ボスの解説が非常に充実しているのが高評価である。
上記画像の2回目キャプテンクルールだが、各フェーズにおける攻撃を詳細に記載されている。
※他の攻略本では攻略は概要のみであったりそもそも触れてすらいない場合もある。
・Q&コーナーについて
また、Q&Aコーナーにて「スペシャルゲームができない。」という問に対して
「そんなものはありません。」という大胆なプレイをやらかす。
しかし、Cheatという英単語についての意味を掲載しているため知育型攻略本としては評価点は高い。
※実際にはチートモードでは以下のコマンドが使用可能であるため参考に掲載します。
★DKバレル無しモード(DKバレルが無くなる代わりにステージ開始時に2人スタート)
B、A、右、右、A、左、A、X
★ゲーム開始時に50ライフからスタート
Y、A、セレクト、A、下、左、A、下
・熱川バナナワニ園
最後のページの方に実写で熱川バナナワニ園の紹介がされており、
ワニでクロコジャンプができるのか などの謎の検証写真が掲載されている。
No.9 スーパードンキーコング2 : 完全攻略決定版
出版社:二見書房
シリーズ名:裏ワザ大全集
発売時期:1996年3月
■主な特徴
・マップはゲーム画面ベース
・DKコイン、ボーナス、隠しアイテムを網羅
・本自体が小さく、縮尺のせいでマップが読みにくい
・攻略以外のバグ技やテクニックを多数掲載
・無の取得のスクリーンショットが掲載されている
■記載例
■評価・考察
基本的な攻略情報は全て問題なく網羅しており、通常の攻略本にはないバグ現象を多数掲載している。
通常の遊び方以外を紹介している点は非常に評価が高い。
特に秘伝紹介ページなるものでは水中しゃがみからのジャンプ入力による急上昇バグを紹介しているが、
これは2018年現在の102%RTAにおいても使用されているテクニックである。
また次に以下の画像をご覧いただきたい。
そう、この著者は1996年時点で無を取得していたのだ。
無の取得の起源には諸説あるが、おそらく目に見える形で残っている資料としては
最古のものであると言えるだろう。非常に貴重な資料である。
No.10 スーパードンキーコング2ディクシー&ディディー攻略ガイドブック完全版
出版社:アスペクト出版
著者:ファミ通編集部
発売時期:1996年3月
■主な特徴
・マップはゲーム画面ベース
・DKコイン、ボーナス、隠しアイテムを網羅
・オリジナルキャラクター「アンクルコング(関西弁)」による会話形式の解説
・解説がとにかく詳細に記載されており、活字量がはんぱない。
■記載例
■評価・考察
前回(No.5)の刊行からわずか1ヶ月でアスペクト出版から2冊目の攻略本が出てしまった。
本の構成としてはこの攻略本におけるオリジナルキャラクター「アンクルコング」が会話形式で解説を行うもの。
関西弁であり、言い回しがやや鼻につくものの、その解説量は1-1から4ページも使用するほどの大ボリューム。
また、今作ではマップは全てゲームマップに置き換えられているが、解説量がとにかくはんぱないので
マップはやや縮尺されている。しかし解説箇所はマップに項番がしっかり記載されているため、
純粋な読み物としての完成度は高いと言えるだろう。
ファミ通オリジナルキャラクターを投入する離れ業をやってのけるも、
1ヶ月前に刊行された攻略本(No.5)とは比べ物にならないほどの高いクオリティであった。
No.11 朝までスーパードンキーコング2
出版社:勁文社
シリーズ名:スーパーファミコン必勝法スペシャル
発売時期:1996年4月
■主な特徴
・マップは全て手描き
・各所にかわいらしい絵が書いてある
・とげとげタルめいろにて描くのが大変だったと著者の不満が書かれている
・アシカのクラッパーが謎の生命体になっている
・漫画付き。
・・・何処かで見たような?
■記載例
■評価・考察
そう、この攻略本、なんと2ヶ月前に同出版社から出ている攻略本(No.6)のマップがそのまま使いまわされている。
加えてコミカルな絵も使いまわされており、以前との変更点はマップ上のオブジェクト表記が少し追加された程度。
しかもジンガーを「ジ」と表記したりと手抜き加減のひどさが伺える。
以下に画像比較を掲載する。
※右がNo.6、左が本項のNo.11
解説が増えているのはよいが、結局隠しアイテムなどの掲載はなく、
マップを使い回して表紙だけとりあえず変えました、的な作りは評価点が低い。
なお、煽りドンキーコングは削除されました(No.6参照)。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
ちなみに私が自宅にあった攻略本は無くなってしまいましたがNo.7でした。
みなさんが所持している・していた攻略本はありましたでしょうか。
マップが掲載されている攻略本というのは見ているだけでも面白いですよね。
ちなみにこれ以外にもあと2冊ほど攻略本があったのですが、
図書館の閉館時刻が近づいてしまい、貸出及び印刷はできませんでした。
どこかの機会で閲覧できたらいいなと思います。