目的
前の記事でひとまずJAMMA/MVSのゲームが遊べる状態にはなりました。
で、そもそもなぜこうまでして既に移植がされているメタルスラッグ2のMVS版をやることになったかですが、以下の理由からです。
・現行の移植版の再現度がどれも微妙
まず、Steam版ですがDotemuから提供されているのですが、Dotemu系はとにかく入力遅延がひどいです。
アクションゲームであるメタルスラッグでは致命的です。
PS2/PSPのコンプリートもDotemuと同じ理由で却下です。
次にPS4アケアカについてですが処理落ち再現がされておらず、アーケードとは全くの別ゲーとなっています。
これについては元々ひどい処理落ちが改善されているので賛否両論あると思うのですが、
アーケードでやってきた人間としては「処理落ちも含めてメタルスラッグ2」なのでこれは受け入れがたいです。
では、Neogeo版はというとアーケードと全く同じ環境なのですがこれは単純にめちゃくちゃ値段が高いです。
Neogeo本体とゲームカセットだけで今回用意した一式を2セット買えるくらいの値段にはなると思います。
・MVSのマザーのBIOS載せ替えができる
Neogeo本体でもできますが、MVSマザーはBIOSをUniversal Bios(以下Unibios)というのに載せ替えることでMVS版カセットをAES(コンソール)起動させることができます。
実はMVSとAESのゲームカセットの中身は全く同じであり、Biosによってどちらのモードで起動するかを決定しているのです。
これに加えてコンソール版を開発者モードで動作させることができ、メタスラではステージセレクトが可能になるという大きな利点があります。
※Unibiosは有志によって開発された独自Biosです。これ自体の解説はググればいくらでも出るので割愛します。
Unibiosへの載せ替え
Unibiosを載せるのはマザー側なので蓋を外してBiosチップをUnibiosのチップに載せ替えます。
UnibiosのチップはEPROMの27C1024互換のものを使います。
ロムライタを買うのはお金がかかるので個人依頼で焼いてもらうかヤフオクで既に焼かれたものを購入したほうがいいです。
※私が使用したマザーはMV-1FZですが、MV-1Cの場合ははんだを剥がす必要があり、難易度が高いようです。
Unibios及びAES起動確認
正常にUnibiosで起動できれば電源を入れた後にこのような画面が表示されます。
また、電源を入れた時点でABCボタンを同時押しするとBIOSメニューに移行します。
ここでカセットを業務用(MVS:Arcade)で起動するか家庭用(AES:Console)で起動するかを選べます。※他にも機能あるけど割愛
コンソールで起動すればMVS上で家庭用Neogeoのように遊べます。Neogeo版のメニューがちゃんとでてるのがわかりますね。
さらにここからデバッグモードでの起動
開発者モードでの起動方法を日本語で詳細に説明しているサイトがなかったのでKIAIで試行錯誤しましたが、実は結構楽にできました。
ゲームを起動後、Neogeoロゴが出る画面でUnibiosのゲームメニューを起動します。
Debug dip settingでDEV(developerの略だと思う)をdisableからenableにします。
この時注意なのがNeogeoログを通り過ぎてゲームが起動した後にenableに変更してもデバッグモードに移行できないので、即座にメニューを開いてenableに変更する必要があります。
おしながきで遊ぶ
さてようやくデバッグモードに入れました。
他のMVSゲームを持っていないのでゲームごとの細かな設定は分かりませんが、メタルスラッグ2~5はデバッグモードで起動したら
ゲーム画面中でセレクトを2回入力することで「おしながき」という秘密のメニューが出せるようになります。
このメニューではデバッグ用の各種チート、ステージセレクト、サウンドテストが選べます。
各種チートはデバッグに入らずともDip Switchで任意のものを使用できますが、ステージセレクトは「おしながき」からでないと使用できません。
※メタスラ1のみ「おしながき」が無い代わりにDip Switchから可能らしい
また、各種デバッグメニューでは一般的なチートの他に、キャラやマップの判定を見ることができます。
今回の最終目的がMVS基板でAES起動させかつステージセレクトで練習環境を整えることだったのでようやくゴールにたどり着けました。
が、最後にちょっと罠が。。。
セレクトボタンの罠
UnibiosでAES起動させた場合、セレクトに対応するのがキックボタンにあたる5ボタンとなっております。
「おしながき」を出すためにはこれを2回入力する必要があるのですが、実は前の記事で紹介したコンバーターはキックボタンに対応していなかったのです。
というわけでJAMMAの配線表を見てボタン5とGNDを押しボタンスイッチ経由でジャンパさせて対応することになりました。
ちなみに後から気づきましたが、Neogeoコントローラー用にC-BOX【竹】側で456ボタン用のボタン拡張があるのでここからジャンパでGNDと結線させることでも動作しました。
ちなみにC-BOX竹ではサターンパッドを使えばデフォで6ボタン対応しているのでそのまま利用可能です。
とりあえずの暫定スイッチ
当然5,6ボタンを使うゲームで困るわけですが、よくよく考えたらぼくがやるゲームで5ボタン以上使うゲーム無いのでとりあえずこれでしばらくやり過ごします。
最後に
正直ぼくは電子工作なんて全然できないですがそんな人間でも一からここまではできるというお話でした。
情報はたくさん転がってるので敷居は昔より下がっているのではないかと思っています。
おわり